【作り手の情熱を紐解く】
お洋服は、たくさんの人が関わり作られています。
実際に工場で稼働していることだけが手仕事ではなく、各部門それぞれにプロフェッショナルな活動をされる方々がいます。
今回特にお世話になったのが、ブランドと工場を繋ぎ、私たちにとって大きな役割をもつメーカーさん。
数十年に渡りアパレルの裏側を経験されているお二方に、ファッションへの想いを取材しました。
ARISA
ご無沙汰しております。一年ぶりの再会ですね。今回はお忙しい中、ありがとうございます。改めてにはなりますが、お二人の簡単なプロフィールをお聞かせください。
斉藤さん
大学生の時から、アパレルの仕事をしています。メーカーとして働き始めたのは32才の時から。それからかれこれ30年程になります。
井上さん
以前小売りをやっていて、生産に関わるようになったのは30年程になります。
ARISA
お二人ともアパレル一本でお仕事をされているのですね。
斉藤さん
今回CEL ANSWERのお洋服を製作するのは、少し特殊だったんですよ。
ARISA
そうだったんですか?
斉藤さん
今回CELさんからご依頼された中に布帛が多くあって。私はカットソーがメインの会社で、井上さんの会社は布帛がメイン。新しいブランドということもあり、布帛は井上さんの会社でお願いできないかと、ご連絡をしました。
井上さん
面白いブランドがあるからと、連絡をいただいていました。
ARISA
面白いブランド?!
斉藤さん
全てサスティナブル素材でお洋服を作るということが、とても面白かった。なかなか全てをサスティナブル素材で揃えるというのは難しい。ARISAさんがやろうとしていることに共感をし、このブランドをどう広めようかも考えていたんですよ。
ARISA
そこまで考えていてくださったなんて…とても嬉しいです。
斉藤さん
私はなぜか新規立ち上げブランドと関わることが多くて。CELは生地を決めてからのお洋服作りだったので、そこは大変でした(笑)でも、一緒に成長できるブランドがあると、とても嬉しいんです。
ARISA
たくさんの素材をご提案いただいたり、お二人に事務所にきていただいて、サンプルチェックをしていた日が懐かしいです。
斉藤さん
二人で同時に同じブランドで進行するということが、珍しかったのですよ。今までほぼないかもしれません。
ARISA
そうだったのですね!最初は同じ会社の方なのだと勘違いしていました(笑)
斉藤さん
いつも井上さんを頭に入れて仕事をすることが多くて。ノウハウをたくさんもっているので、布帛の方はお願いをしました。
ARISA
長くアパレル業界に関わってきたお二人ですが、変化したなと思うことはありますか?
井上さん
働き方は大きく変化しましたよね。
斉藤さん
昔は週一の休みが当たり前でした。中国でもここ10年ほどで残業がなくなりましたね。
ARISA
日本はどうでしょうか?
斉藤さん
日本は、ご高齢の工場が多くなってきましたね。工賃も昔に比べて、かなり値上がりしましたね。
井上さん
加工賃の高騰や生地の高騰がすごい。特に、3,4年前くらいだったと思います。
ARISA
価格の高騰は、私も物作りをしていてよく耳にします。アパレル業界も、環境問題や働き方の問題が問われる中で、価格の高騰は適正だと感じますか?
斉藤さん
適正になってきたと思います。昔は安くても受けなければいけなかった。ですが今はオーダーが増えたことで、工場も適正な価格になってきたのだと思います。
井上さん
中国でも縫い子さんが少なくなってきた。約20年前から徐々にITの仕事が人気になっていて、人材がそちらに流れている印象ですね。
ARISA
中国以外にもベトナムなどのタグも見られるようになりましたね。
斉藤さん
ベトナムも今は賃金が上がってきています。こちらのITや仕事の選択肢が増えいて。でもまだアパレルの賃金は低い方ですね。
ARISA
世界水準がどんどん上がってきているということですね。
井上さん
生産の話でいうと、日本の生産基準はものすごく厳しい。その生産基準で作られた中国製のものは不安定なものが多かったですが、15年ほど前から安定するようになりました。
ARISA
今は技術も上がってきているのですね。
斉藤さん
中国製だからといって、悪いものが上がってくることはありません。
井上さん
物が良ければ生産国はあまり関係なく、私たちが信頼している工場でお願いをしています。
ARISA
今回一緒にお仕事をさせていただき、親身になって相談にのってくださったことが、一番印象に残っています。お二人が仕事をする上で、心がけていることなどはありますか?
井上さん
信頼できる人との仕事を大切にしています。
斉藤さん
信頼を元に、自分が納得してサンプルをあげられるかも大事ですよね。工場にも得意不得意がある。どこに依頼するかなども長年の知識で判断しています。
ARISA
お二人とも、信頼を大切に仕事をされているのですね。
斉藤さん
仕事に対する姿勢も大切だと思います。サンプルチェックの時も井上さんはハンガーにかけて丁寧に持ってきてくれたり。
井上さん
いつもなるべく良い状態で、サンプルを見ていただきたいと思っています。
ARISA
今回お二人に製作をお願いして、改めてよかったと思いました。ありがとうございました。
お話を聞く中で、メーカーさんとは改めて「アパレル業界のお母さん的存在」なのだと感じました。ブランドと工場の間でやり取りをし、様々なハンドリングをしてくれる重要な存在。
たくさんのブランド、メーカー、工場がある中で、互いに信頼がなければ、大切なプロダクトを任せることはできません。そして自信がなければ、手にとっていただくお客様にも、その熱量が伝わってしまうかもしれない
改めて、この信頼と自信を互いに持ちながらお洋服を製作することができた事に、感謝しています。
お忙しい中、インタビューを受けてくださったお二方、本当にありがとうございました。
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